査定額に大きく影響する敷地の形や地形
住まいの売却を検討しているお客様の中には、「敷地の形や地形が査定額に影響するのでは?」と不安に思っている方が少なくありません。結論から先に申し上げると、敷地の形や地形は査定額に大きく影響します。今回はこの点についてご説明しましょう。
一番評価が高い「整形地」
敷地の形は、一般に正方形と長方形の「整形地」が良いとされます。また、同じ整形地でも、間口が狭く奥が長い“うなぎの寝床”のような敷地より、間口が広いタイプの方が評価は高くなります。これは、道路に接している面が長い方が分筆(敷地を分割すること)しやすいからです。
また、よくあるのがピストルの形をした「旗竿地(はたざおち)」や、三角形の土地ですが、このような「不整形地」は、正方形や長方形の整形地より若干評価が下がります。
さらに言えば、細い路地よりも広い道路に面している敷地のほうが好まれます。たとえば、幅が3メートルや4メートルしかない細い道路に面している敷地は、建て替えを行う際、建築基準法によりセットバック(道路後退)が必要です。そのような敷地よりも、幅6メートル以上の道路できちんと舗装された道路に接していたほうが評価は高くなります。
「いかに道路に接しているか」も重要
敷地の向きも重要です。ここでは「道路付」と言って、いかに道路に接しているか、が問われます。これは昭和の頃から変わりません。敷地の二つの辺が道路に接している「角地」の評価が高く、なかでも一番評価の高いのが東側と南側が道路に接している「東南角地」です。
次いで、「南西角地」、そして南側が道路に接している「南道路」と続きます。南側が道路に面していると、それだけで評価が高くなる傾向です。その次が「東向き」になります。日本人は強い西日の嫌いな人が多いため、「西を向いているより、東の朝日を取り込めた方がいい」という評価になるからです。
さらに言えば、東側が道路に接した「東道路」、西側が道路に接した「西道路」、そして最後に、北側が道路に接した「北道路」の順になります。以上が道路付の評価の順番です。土地の間口の広さや南側にスペースが取れるか否かでも評価が変わります。
図面だけでは正確な評価が難しい
敷地の向きや形は実際に現地に行かなくても図面を見れば判断は可能です。しかし、現地に行かなければ分からないケースも存在します。典型的なものとしては、「北道路の不整形地」があります。敷地の北側が道路に接していて、間口が狭く、旗の形をしている旗竿地がそれです。
北道路の不整形地は、図面から判断しただけでは評価がたいへん低くなります。ところが、実際に現地に足を運んでみると、ひな壇になっているなど、南側が傾斜して障害物がなく、日当たり抜群なケースがあるんです。そうなると、マイナスポイントは一気にプラスに転じます。南側に広い庭が取れるなど、有効利用ができるからです。
机上査定の結果を見て「どうしてわが家はこんなに安いの?」と納得いかない場合でも、現地を見てもらえば評価が上がるケースがあります。これは訪問査定のいいところのひとつと言えるでしょう。日当たりなど、実際に現地を見てみないと分からないことも少なくありません。
相場の価格からどれだけ上乗せするのか、あるいは割り引くのかは、最終的に現地を見た上で査定します。その金額は、もちろん物件により異なりますが、100〜300万円の範囲になることも。決して小さくない金額ですが、実際、そのくらいの差は出ると考えていてもよいと思います。
まとめ
物件により条件が異なるため、現地を見ないと正確な査定ができないのは前述の通りです。
現地に行ってみると、坂の途中に敷地があり、地下車庫になっており、165平米のうち傾斜地が65平米、つまり、3分の1は傾斜地。そうなると、30坪の評価しかできません。家が建てられる水平な部分しか評価が出ないからです。坂が絡むと10〜20%のブレ幅が生じてしまいます。起伏の激しい地形の場合、訪問査定でないと大幅に誤差が生じますから注意が必要です。
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